【記事】
平成30年の診療報酬改定により,ロボット支援下手術が保険収載された。これによって婦人科におけるロボット手術件数は飛躍的に伸びている。安全かつ内視鏡よりも習得が容易であり,かつ術者の疲労も少ないため,アメリカではすでに手術の第一選択となっている。今後は日本においても有用な選択肢の一つになると考えられる。
本書は多くの術者にとってロボットを用いた最初の手術となるであろう良性の子宮全摘術に特化し,ロボットを用いた産婦人科手術のスタンダードな術式を詳細に解説している。
手術写真を基本としながら,他の書籍ではこれまでなかったロボット手術を行う術者の手の動きをウェアラブルカメラで撮影し,手の動きと術野の写真をリンクさせ,これまでの内視鏡手術の書籍では表現できていなかった手元の動きがしっかりと理解できる紙面となっており,そのうえで手技の一コマ一コマについて詳細な解説を行っている。また手元と腹腔内の動きがリンクした動画もストリーミング配信し,理解しやすさに主眼をおいたロボット手術書の「はじめの一歩」となっている。