不育症・早産・産後うつ病・児の自閉症を防ぐビタミンMの効果!プレコンセプションケアに不可欠な葉酸の働きと公民連携の保健事業
【目次】
第1章 食事からだけで必要な葉酸を摂れると思っていませんか?
第2章 健やかな母子の成長を助けるビタミン:葉酸の多彩な働き
第3章 葉酸についてのQ&A
第4章 地方自治体とヘルスケア企業との共創による葉酸の啓発・頒布活動
【記事】
•母親の健康と子どもの健やかな成長における、葉酸の多彩な働きが最近の研究によって明らかとなってきました。
•まず、妊娠前から妊娠中に継続して葉酸を摂取すると、先天奇形(二分脊椎症などの神経管閉鎖障害、先天性心疾患、口唇口蓋裂)のリスク低減、不育症(習慣流産)のリスク低減といった効果があります。
•また、妊娠中から出産、産後にかけて、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)のリスク低減、低出生体重児や早産のリスクの低下、産後うつ病のリスク減少、児の自閉症リスク低下などの効果があります。
•さらに、葉酸は、エピジェネティックな変化にも関与することから、葉酸の摂取不足が次世代の生活習慣病のリスクを高めることも分かっています。
•このように今日では、葉酸が、妊娠前から妊娠中はもちろん、産後から、子どもの成長後の生活習慣病のリスクに至るまで、多くの病態に関与していることが分かってきました。したがって、プレコンセプションケア(受胎前からの女性の健康管理)において、葉酸サプリメントの摂取は、最も基本的な栄養学的アプローチであり、妊娠を考える女性は、自身の健康と健やかな子どもの発育・成長のために、葉酸サプリメントを摂るべきです。
•本書では、以上のような葉酸の多彩な働きについて、最新の研究を概説し、葉酸サプリメントの選び方や上手な摂り方を分かりやすく解説、また、公民連携のスキームを活用しながら、葉酸サプリメントの適正使用の啓発に取り組む多くの地方自治体の事例も紹介します。